認知行動療法 呼吸法

私たちにできることは常に「行動」だけである

Take Action

こんにちは、まーるです。

(音声版はこちら↓)

お風呂や信号待ちやお店のレジなど、当時いろんなシチュエーションで予期不安は襲ってきましたが、やっぱり一番苦手意識があったのは乗り物でした。
一番最初にパニック発作を起こしたのが通勤電車の中だったんですね。だからとりわけ電車が恐怖で。

なので認知行動療法(曝露療法)をやる時は、私の場合、主に電車が中心でした。
まずは鈍行で1駅から。時間にしてたかだか3分程度なのだけど、最初のうちはそれすらもう、めちゃくちゃ恐怖。
いざ電車のドアが開いたら足がすくんじゃって結局1本見送るとか、そういうこともあったりしました。

そんな中、どうやってモチベーションを保っていたかというと、とにかくもう林修作戦ですよ。
いつやるの、今でしょ」これ名言。当時、本当に何度も頭の中でリフレインしましたねー、この言葉。
「今やらないでいつやるんだよ!」「ちくちょー、やってやんよ!」って半ばヤケッぱちで乗り込むような日もありました。いやはや。

でも、ヤケッぱちだろうが何だろうが、やはり「やる」という事が大きな意味を持つのだと思います。
当時読んだ本にこういう一節がありました。

私たちがこの問題を解決することができるかの保証はない。しかし、絶対に保証できることは、私たちが直面しなければ、決して解決しないという事である。
(「グラッサー博士の選択理論」p550)

私たちが誕生して死を迎えるまでにできることはすべて、行動することである。
(「グラッサー博士の選択理論」p552)

そうかそうだよなと。
この本を読んで以来、選択理論が私にとってかなり大きな精神的支柱になりましたね。

一応ご紹介しておきます。上述の通り500ページ以上もある極太本なので、万人向けではないかもですが。

下は選択理論を分かりやすく凝縮した本です。とっかかりとしてはこちらの方がおすすめ。

さて。電車に乗り込んで私がした事と言えば、ただひたすら呼吸法です。
実際のところ、呼吸法を覚えてから大きな発作を起こしたことは、記憶の限りたぶん一度もありません。
動悸や顔面蒼白、筋肉のこわばりなど、初期段階の小さな発作は何度かあったかもしれないけど、少なくとも「気がおかしくなりそう!」などの破局思考が出るほどの強い発作は一度もなかったと思います。

呼吸法で予期不安を乗り切るたび、呼吸法に対する信頼が高まっていくのを実感できました。
同時に、「自分の力で乗り切れるんだ」という自信も高まりました。

回復にとって、この自信というやつが本当に大事なんですよね。自己効力感というやつ。

参考セルフ・エフィカシーを高めよう

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自分には対処能力がある」という体感(自己効力感)が、予期不安を治すカギだそうで。
その点「呼吸法で予期不安を乗り切る」というのは、自己効力感を高めるのに一番効率の良い選択肢だったんだろうと思います。
なんせ道具などを何も必要としませんからね、呼吸法は。
「シンプルに自分の力で乗り切ったんだ」という実感を得やすいですよね、単純に。

あと、呼吸法だけに集中していると、身体症状が収まっていく感覚を味わいやすかったりもすると思うんですね。
身体症状のピークから収束までの一連をできるだけ味わってみる。その感覚に慣れてくるにつれ、「ピークって言ってもたかが知れてるな」と思えるようになるんじゃないかなと。なんとなくね。私はそういう感覚が少しありました。

もちろん何かの力を借りるのもいいと思います。お水を飲むとか、ミンティアを口に含むとか、スマホに集中するとか、あとお薬とかもね。
だけど、よりいっそう曝露療法の効果を高めようと思ったときには、そういう「何かの力」を少しずつ手放す練習をする事は大いに意味があるだろうとも思います。

ともあれ、大事なのは「体感」ですから。
「なんとなく乗り切った」とか「今日はたまたま調子が良かった」とか、そういう感想に終わってしまっては自己効力感を得られないので。
「よし!私にもやれる!」という自信に繋げるために何をどうすればいいのか、という目的重視で曝露療法を実践することを強く強くおすすめします。

管理人がクリニックの先生にオススメしてもらった本。パニック障害の基礎情報と治し方を知るのに最適です。

管理人まーる

パニック障害を克服した元商業ライター現医療機器系OL | 上級心理カウンセラー(民間)| 80年代生まれ | 旅行大好き | 乗り物・フルタイムのお仕事OKすこぶる元気 | 服薬・通院はしなかったためお薬には疎い

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