こんにちは、まーるです。
(音声版はこちら↓)
予期不安がくるじゃないですか。
で、不安感・恐怖感がじわじわ高まった末に、ドーンと発作に突入すると。
そう思ってたんですよ、私。
予期不安と発作は地続きだと。しっかり紐で繋がっていると。
だけどその思い込みは、けっこう初期段階で修正されました。
きっかけはこの本。このブログやツイッターではすっかりお馴染みになっているかと。
個人的にめちゃくちゃオススメしまくっているので。
これによると、パニック発作の原因は「過呼吸」だそうなのです。
過呼吸の症状は、そのままパニック発作のそれなのです。
つまり、発作に至るのは無意識に過呼吸になってしまったからであって、不安感・恐怖感が直接トリガーになっているわけではないと。
私はこの本を発症初期の頃に読みまして、ずいぶん救われたんですね。
もしこれを知らないまま、「予期不安と発作はつながっている」という思い込みをずっと持ち続けていたら、もしかすると今でも予期不安に苦しんでいたかもしれないとさえ思います。
だって、不安や恐怖って自分ではコントロールできないじゃないですか。
事実、選択理論などの心理学界隈ではこんなふうに言われてもいます。
人間は常に4つの概念が連動し合っている。
それが「行動」「感情」「思考」「生理反応」。
そのうち自分で選択できるのは「行動」と「思考」のみであり、残る「感情」と「生理反応」は自分の意思で選択する事はできないと。
今から何をするか(行動)や、情報をどう捉えるか(思考)は自分でいくらでも変えられるけど、楽しさや悲しさ(感情)、発汗や発熱(生理反応)は自分の意志とは関係なく勝手に湧き出てくるものなんですよね。
予期不安もまた感情です。
自分の意思で変更できる領域じゃない。
その感情が発作のトリガーだとしたら、必然的に発作自体も自力ではどうにもできないという結論になってしまう。
でも実際ところ、それは正しくありません。
だって発作の原因は過呼吸だから。
予期不安と発作が直接繋がっていないという事は、つまりどれだけ予期不安が出ても発作自体は食い止める事ができるわけです。
だけど、そもそもパニック発作だって「生理反応」じゃない? だとしたら自分でコントロールできないじゃん。
と思うじゃないですか。事実それは正しい。
確かに過呼吸になると自動的に出てくるのが、パニック発作というやつです。
でもでも、呼吸量はコントロールできるんですよ。自分で。
呼吸を早くしようと思えばできるし、逆にゆっくりしようと思えばそれもできる。
なので「今過呼吸かも」と気付いた時に自分で呼吸量を調整すれば、通常の呼吸数に戻す事ができるわけで。
で、呼吸量が通常範囲に戻りさえすれば、過呼吸由来である発作の症状も出てこないわけで。
いろいろ書いたけど、まとめるとこう。
予期不安(感情)は勝手に出てきて勝手に引っ込むので、放置するしかない。
パニック発作は過呼吸によるものなので、予期不安とは直接繋がっていない。
パニック発作は生理反応だが、そもそも呼吸量を調整すれば抑えられる。
さらにまとめるとこう。
どれだけ予期不安が出ても、呼吸量さえ調整すれば発作は出ない。
どーん。とまあ、こういうわけなのですよ。
予期不安が出てきた時に「不安を感じちゃダメだ! こんなの怖いはずがない」などと頑張って感情を否定する事に、正直意味はありません。というか否定できません。勝手に出てくるので。
予期不安が出ても焦らなくていいんです。感情は発作のトリガーではありませんから。
とにかく過呼吸にならないように、ひたすら呼吸をコントロールすればいいんです。
今さらですが、呼吸をコントロールする方法も貼っておきますね。
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参考呼吸法を覚えよう
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私は現在(2022年)パニック障害・不安障害が完治して4年以上経ちます。
発作や予期不安は出なくなりましたが、かといって不安や恐怖の感情が無くなったわけじゃありません。
普通に不安や心配を感じるし、もともと人より緊張しやすいタイプなので、人前に出たりする時には緊張してドキドキしたりもします。
だけどやっぱり発作は出ません。
ネガティブな感情もポジティブな感情も、ただ浮かんでは消え、消えては浮かびの繰り返し。そんな感じ。
だからもし今、「感情が発作を引き起こすのだ」と思い込んでいるとしたら、頭の中でその2つを結びつけている紐をチョキンと切っちゃいましょう。
本当は全然繋がっていないので。不安や恐怖が波のように押し寄せたって、焦る必要はないんです。必ずやがて引きますから。大丈夫。