こんにちは、まーるです。
(音声版はこちら↓)
私、RPG大好きだったんですよね。朝5時に起きて通学前にひとゲームやるぐらいハマってましたから。
ドラクエ、FF、ロマサガ、マザー、クロノトリガー。片っ端からやりました。はい。
で、思ったんですよ。認知行動療法って、まんまRPGだよなと。
思い返せば返すほど、つくづくRPGなのです。
まずRPGって、いきなりボスはムリじゃないですか。
レベル1でいきなりボスに突っ込んでいっても、コテンパンにやられちゃいます。
まずはスライムからコツコツやっつけて少しずつ経験値を貯めないといけません。急がば回れ、です。
認知行動療法の基本もまさにこれ。スライムクラスの不安や恐怖からコツコツやっつけていって、段階的にレベルを引き上げていきます。いきなり無策で飛行機に乗っちゃうなんて、やっぱりムリ過ぎますから。
逃げて逃げて逃げまくってなんとかボスのところまで辿り着けたとしても、それじゃダメなんですよね。
結局ボスにやられちゃう。日頃のレベル上げがとことんモノを言う世界線なんです、RPGも認知行動療法も。
それから、例えばダンジョンなんかだとフィールドよりも敵がちょっと強かったりするじゃないですか。
さらにはたいてい一番奥にボスがいるから、ボス戦のための余力も必要だったりする。
だからこそ現在の実力でどこまでいけるのかは、中に入ってみないことにはなかなか見当がつかないんですよ。
これまた認知行動療法も同じでね、「挑戦してみたいけどまだムリかなー」なんて二の足を踏む事がよくあるのじゃないかと思うんですけどね、これもやっぱりやってみないと分からないんですよね。自分がどこまでできるのか。
行ってみて「ムリだ」と思えば引き返せばいいと思います。
それは決して失敗じゃない。「あともう少し自信をつけたら/レベルを上げたら攻略できそうだ」なんていう見込みが立ったりもするわけだから、すべてがちゃんと経験になるんです。RPGも認知行動療法も。
あと、ずいぶんレベルは上がったのに、いつまでもスライムを相手にし続けていたらなかなか経験値は貯まりませんよね。
レベルに応じた敵と対峙しないことには、相応の経験値は得られません。ていうかいつまでもスライムのいるエリアに留まり続けているわけだから、行動範囲は全然広がっていきません。
認知行動療法もまた「段階的に」が基本。レベルに合わせて負荷をかけていく事で自信が高まってきます。そうして行動範囲が広がっていくわけです。
コツコツやってさえいればオートマチックにレベルが上がっていくところも認知行動療法に似ていると思います。
認知行動療法って、けっこうシステマチックですもんね。やった分だけ経験値になって、経験値の分だけ自信がついていくような。そんな感覚が少なくとも私はありました。
私ずっと疑問だったんですね。
予期不安や発作が出た時、自分が情けなく感じたり、悔しかったり落ち込んだりするという話をよく聞くのだけど、一方、私自身はそういう感覚をほとんど味わった事がないんです。とりわけポジティブな性格というわけでもないので、本当につくづく不思議でした。
でもその謎がようやく解けた気がするんですよ。
たぶん私の場合、根っからのRPG脳がうまい具合に認知行動療法とリンクしてくれたんでしょうね。無自覚だけど。
もちろん実際にはRPGみたいにワクワク楽しい気分なんて微塵も感じていなかったけど、それでも根底にはRPG感覚があったんだろうと。
予期不安や発作を乗り越えるたびに経験値を得ている感覚があったし、予期不安も発作もレベル上げに必要不可欠な敵モンスターだと認識していたんじゃないかな。無自覚に。だから出てきても落ち込んだりしなかったのかなと。
いや、冗談みたいな話ですが、けっこう腑に落ちたんですよね。
わりかしこれ真理なのではないかと思っていたりします。