おさんぽの前には準備運動を
外へ出る前にまずは、カーテンを開けて外の光を浴びましょう。
そして、ラジオ体操のようなもので軽く準備運動を。ラジオ体操はトータルで3分ほどなので、準備運動としてはちょうどいいボリュームかと思います。
ラジオ体操第一 https://youtu.be/feSVtC1BSeQ
もしも面倒だと思ったら、各運動を少しずつ省略してチャチャッと終わらせてもかまいません。ただ、「よし、さんぽに行くぞ」というスイッチを入れる意味もありますので、何かしらのストレッチや運動をルーティンにしてくださいね。
家から離れるのが怖いというときは
どこまで離れると不安や恐怖を感じるのかを、まずクリアにしましょう。
「距離にしてこれぐらい離れると不安になる」「いつもこのポイントに来ると怖くなってくる」というような、自分の中の目安があるかと思います。
目安がはっきりしたら、できるだけ毎日そのポイントまで行ってみましょう。
そしてそのポイントに着いたら、そこにしばらく留まってください。もたれかかる場所やベンチなどがあれば、そこでひと休みする形で大丈夫です。
そのとき、休けい開始の時間を必ず確認してください。
そして、不安や恐怖を感じているかと思いますので、必ず呼吸法を実践してください。そのまま、不安や恐怖のピークが過ぎ去るのを待ちましょう。
ピークが過ぎ去ったなと思ったら、そのとき休けい開始からどれぐらい時間が経ったのかを確認してください。
そこまでがんばったら、その日はおさんぽコンプリートです。家に戻ってゆっくりしましょう。
以降のおさんぽでも、同じことを実践してください。
そして、不安の度合いや、ピークが過ぎ去るまでの時間の変化を観察しましょう。
不安の度合いが下がってきたり、ピークの過ぎるのが早くなってきたりして、「もう少し先まで行けそうだな」と思ったら、次の日からはそのポイントで立ち止まるのをやめて、もう少し先まで歩いてみてください。
そして改めて、「どこまで行くと不安が強くなってくるのか」というのを目安にして、新しい休けいポイントを見つけましょう。
このようなプロセスで、家から離れられる距離を少しずつ伸ばしていってください。
「お守り」がないと不安というときは
お薬やミントタブレットなどを、いざというときの「お守り」として携帯する人もおられるかと思います。
もし、おさんぽをする際にも「お守り」を持参しないと不安・怖いという場合には、一度お守りを持たずにおさんぽに出かけてみてください。
まず、どこまでならお守りなしで歩いていけるのかをクリアにしましょう。そして不安になってきたら、それ以上進むのをやめて休けいしてください。
あとは前項の「家から離れるのが怖い」ケースと同じです。
そのポイントで、不安のピークが過ぎ去るまで呼吸法をしましょう。そしてそれをできるだけ毎日続けましょう。
不安の度合いやピークの過ぎ去る時間に変化が出てきたら、お守りなしで家から離れる距離を少しずつ伸ばしていってください。
おさんぽに不安を感じなくなってきたら
家から離れることや、お守りを持っていないことにもあまり不安を感じなくなってきたら、一つ苦手なものを付け加えてみましょう。
例えば、バスや電車などの乗り物が苦手だという場合には、おさんぽの途中でバスや電車に一駅分だけ乗ってみるのです。
バスや電車に乗っている間は、やはり不安や怖さを感じていると思いますので、呼吸法を実践するようにしてください。もちろん漸進的筋弛緩法でもかまいません。自分のやりやすい方を実践してください。
一駅隣の駅で降りたら、バス停やホームでしばらくひと休みして、また一駅分引き返しましょう。歩ける距離であれば歩いて戻っても大丈夫です。
もしお店で買い物をするのが苦手なら、おさんぽの途中でコンビニやドラッグストア、小さなスーパーなどに立ち寄ってみるのもいいでしょう。そしてできれば、何か買い物をしてください。
たくさん買うと荷物が重たくなって、歩いて持ち帰るのが大変になるかもしれませんので、少量がいいだろうと思います。
もしも、汗をかいたりした状態でお店に入るのが恥ずかしいと思われる場合は、むしろ全身ジャージなどを着て、運動中であることをとことんアピールするのがオススメですよ。「ああ、ウォーキングの途中で立ち寄ったんだな」と思ってもらえれば、汗をどれだけかいていても違和感はないですからね。(ただし、そこまで汗をかくほど体力的に負荷をかける必要ありません。)
これも慣れてきたら、2駅、3駅と距離を伸ばしてみたり、大きなスーパーやショッピングモールに入ってみたりなどと、少しずつステップアップしていきます。
例えば、乗り物と買い物を組み合わせてもいいかもしれません。バスに乗って大型スーパーに行ってみるとか。
自分の中で、負荷が少しずつプラスされていくように工夫してみてください。
そうやってステップアップしていくうちに、気付けばおさんぽよりも乗り物や買い物がメインになっているのではないかと思います。もちろん、それはそれでかまいません。それはつまり、自然な流れでおさんぽを卒業できたということですから。それがこの「おさんぽマニュアル」のゴールでもあるんです。
たかがおさんぽ、されどおさんぽ。
マイペースに続けていけば、いつのまにか「あれ? 何が怖かったんだっけ?」という感覚になる日がくるはずです。
少しずつ少しずつ、外に出る機会を増やしていきましょう。