認知行動療法とは
「認知行動療法」は、うつ病やパニック障害の治療に最も有効な精神療法であることが報告されています。
薬物療法と同等あるいはそれ以上の効果が認められており、両方を併用することでさらに回復率が高まるという報告もあります。
また、認知行動療法によって回復した場合は、その後の再発率がきわめて低いというのも特徴の一つです。
一方で、自主的な訓練や、ある程度の段階を踏む必要があるという点では、根気が大切な治療法とも言えるでしょう。
認知行動療法のメリット
- 効果が高い
- 副作用が無い
- 再発率が低い
認知行動療法のデメリット
- 根気が必要
- (薬物療法に比べて)即効性が無い
認知行動療法はむずかしい?
「認知行動療法」と聞くと専門的で難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
精神科医で日本認知療法学会理事長でもある大野裕氏は、認知行動療法をこのように説明しています。
認知行動療法で使われているアプローチやスキルは決して特別なものではなく(中略)日常的なストレス対処法を上手に使えるように手助けする問題解決型のアプローチ。
(「簡易型認知行動療法実践マニュアル」2017)
特殊な治療法ではありませんし、実際にやってみるとそれほど複雑なことでもありません。「これが本当に効くの?」と拍子抜けする人もいるかもしれません。
ともあれ、百聞は一見にしかず。まずは概要を掴むところからはじめてみてください。
認知行動療法のやり方
ここでは主に、個人でできる基本的な認知行動療法を、大きく2つに分けて紹介します。
取り組むにあたって、優先順位が高いと思われるものから順番に説明していきます。
リラクゼーション訓練
認知行動療法においては、リラクゼーションの訓練が無くてはならない大切な工程として組み込まれています。
過度の緊張は不安を助長します。まずは、副交感神経を優位にさせるテクニックを身につけましょう。
関連キーワード
- 呼吸法
- 漸進的筋弛緩法
エクスポージャー(段階的暴露)
不安や恐怖にあえて直面して、「自分には対処する力があるんだ」「想像しているようなことは現実にならないんだ」ということを、改めて学びなおす重要な工程です。
関連キーワード
- 回避行動の克服
- 不安段階表の作成