パニック発作は呼吸法で抑えられる
パニック障害の治療法の一つとして、「呼吸法」の有効性が認められています。
というのも、呼吸法に「パニック発作」を抑える効果があるからです。
呼吸法はなぜ効くのか?
パニック発作は「過呼吸」が原因で引き起こされます。
ですから、呼吸の量を意識的にコントロールして過呼吸を抑えれば、パニック発作そのものも抑えることができるのです。
パニック発作と過呼吸の関係
まずは、どのような流れでパニック発作が起きるのかを見てみましょう。
パニック発作が起きるしくみ
不安や緊張が高まると、無意識に呼吸が早くなって血中の二酸化炭素が減少する。(「過呼吸」)
脳や全身に新鮮な酸素をうまく届けることができなくなる。
さまざまな症状が出てくる。
とくに脳への酸素が少なくなると何が起きるのか
- 息苦しさ、ふらつき、めまいが起きる
- 自分の身体や周りのものが非現実的に感じる
- 心拍数が増加する
- 手足がピリピリする
- 筋肉がこわばる など
さらに過呼吸がつづくと…
- 吐き気が出てくる
- もっと呼吸をしなければと感じる
- 胸の締めつけ感、痛みが起きる
- 恐怖感が増大する
- 「このまま死んでしまう!」
「どこかへ逃げ出さなきゃ!」という感覚になる など
つまり
過呼吸によって脳の酸素が不足し、
そのことでさまざまな症状が起こる
これが「パニック発作」の正体
だから
脳や全身に新鮮な酸素が届くようにバランスよく呼吸をすれば、パニック発作は抑えられる
= 呼吸法が有効
呼吸法をやってみよう
普段、人間は1分間に8〜12回の呼吸をしています。過呼吸のときは、それよりも多く呼吸をして酸素と二酸化炭素のバランスが崩れている状態です。
普段の呼吸は、1分間に8〜12回
= 1回につき5〜7.5秒
= だいたい3秒吸って、3秒吐き出す
呼吸法では、この普段の呼吸数を目指して、意識的に呼吸の数をコントロールします。
呼吸法は続けるほどにうまくなる
不安感が高まった時、パニック発作の症状が出た時に呼吸法を始めると、数分のうちに症状が静まってきます。
この経験を繰り返すことで、「不安や緊張があっても呼吸法をすれば発作にはならない」ことが分かり、体調に自信を取り戻していくことができます。
呼吸法は、実践を重ねれば重ねるほどに
うまくなります。
パニック発作の兆候があらわれたら、
落ち着いて呼吸法をする習慣をつけましょう。