認知行動療法 呼吸法

呼吸法は時間に置き換えて無双する

Tick-Tock

こんにちは、まーるです。

(音声版はこちら↓)

呼吸法の汎用性を語りたい。語らずにはおれない。
なぜって、私自身がこの呼吸法の汎用性に救われたからです。

呼吸法のやり方はこちらを。

参考呼吸法を覚えよう

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さて。呼吸法の基本は3秒吸って3秒吐くを10回繰り返すので、これを1セットとして60秒(=1分)です。
実際には最初に10秒息を止めてからゆっくり吐き出す工程が入るので、トータル1分10秒ちょい。
ただ当時は、最初の10秒をなんとなくノーカウントしていました。1分の方が分かりやすいので。
というわけで、呼吸法はだいたい1セット1分だと考えてください。

例えば、電車に乗る練習をするとします。
1駅だいたい3分ぐらいだとしたら、呼吸法3セットで次の駅に着くはずですよね。
2つ先の駅まで5分かかるとしたら、呼吸法5セットです。
私はこんな風に、「目標の駅まで呼吸法何セットすればよいか」をいつも考えていたんですね。

特に練習を始めて間もない頃はとにかく余裕がなくて、車窓なんか目に入るはずもなく、スマホなんてじっくり見ていられるわけもなく、もう永久に降りられないんじゃないかというぐらい次の駅が遠く感じてしまったりしたので、「呼吸法何セットやればいいんだ」という具体的なタスクがあって本当に助かったんですよ。
もう夢中&全力で呼吸法に集中しました。

そうこうしていくうちに、徐々にステップアップして、例えば15分先の駅まで行けるようになるとするじゃないですか。
15分となると呼吸法15セット、1セット呼吸10回だから、単純に呼吸150回分という事になります。
150回と聞くと途方もなく感じますが、実際にはね、最初の5分ぐらいでかなり心身が落ち着いてくるんですよね。
で、残り10分は惰性でなんとなく呼吸法を続ける感じになって。
なので、そこまでいくと、みっちり150回呼吸法をやり続けるようなことはなかったように記憶しています。

ともあれ、私の中では「呼吸」と「時間」は同義だったんですね。
とかく呼吸法は場所や条件を選ばないのでね、呼吸法を実践するという事はつまり、どんな状況であれとにかくその場で一定の時間を過ごすという事になるわけです。
15分先の駅に行けるという事は、場所や環境が変わっても呼吸法さえあれば15分過ごせるという事でもある。
要は電車じゃなくても、バスだろうが、高速だろうが、お店だろうが、お風呂だろうが、とにかくどこでも呼吸法で15分乗り切れるという事です。

私の場合は、一番苦手なシチュエーションが電車だったんですね。だから尚更思ったんです。
一番苦手な電車で15分乗り切れるなら、他の場所だったらさらにちょっと余裕を持って15分過ごせるはずじゃない? と。
実際のところ、その通りでした。
電車で15分やり過ごせるようになった後は、たいていどんなシチュエーションでも15分乗り切れました。あまつさえ多少の余裕を感じられるぐらいに。

世の中って、労力などを時間で換算する事が案外多いじゃないですか。
移動はたいてい片道○分とかで距離感を測るし、仕事の契約も勤務時間が前提としてあるし、映画の上映時間、レストランの待ち時間、美容院の施術時間、エトセトラエトセトラ。
その点で、呼吸法何回分(=時間)電車に乗れたという経験を、他のシチュエーションに挑戦する際の目安にする事ができたんですよ。

例えば電車で30分ほど乗り切れるようになった時にね、そうだクラシックコンサートを見に行ってみようと思い立ったんですね。辻井伸行さんの。演奏時間は約2時間。
その時どう考えたかというと、こんな感じ。
「30分はもう大丈夫。とすれば、ある程度出入りしやすい立ち見席にして、30分ごとにそっとホールに出てちょっと休憩して、また中に入って30分演奏を聴いて。っていうのを2、3回やれば、なんとか最後まで頑張れるのでは?」
そう、30分大丈夫なら、休憩を挟みつつ30分を繰り返す事で何時間でもいけるじゃん、と思ったんですよ。

で、奮起して鑑賞に出かけました。結果、めちゃくちゃ感動しました。
最初の数分こそ緊張してソワソワしましたが、気づけば1度も休憩する事なく最後までみっちり楽しめました。
アンコールで弾いてくださったラ・カンパネラがもう、もう。
純粋に感動したのと、休憩せずに鑑賞できた喜びも相まって、ものすごく素敵な思い出になりました。その年、もう1回辻井さんのコンサートに行ったぐらいです。

その後も同じような発想で、いろいろチャレンジしてみました。
私の経験上、30分までいかずとも、15分乗り切れるようになったらずいぶん行動範囲は広がります
例えば美容院だとカット15〜20分、シャンプーはもうちょっと短いかな、ドライは15分ぐらいかな。
そう考えると、15分前後で一つ工程が終わるぞと。何ならそのたびごとにトイレ休憩させてもらえばいいじゃない? と。
実際何度もトイレに行くとなると、ちょっと恥ずかしいですけどね。でも恥じている場合じゃないぞと鼓舞しつつ。
そういう気持ちで行ってみると、案外休憩なしで乗り切れたりしましたしね。
案ずるより生むが易しとはよく言ったもんです。

というわけで、呼吸法を時間に換算してみてください。けっこう無双できます。
この汎用性の高さこそ、私が呼吸法をめちゃくちゃオススメする理由だったりもします。

管理人がクリニックの先生にオススメしてもらった本。パニック障害の基礎情報と治し方を知るのに最適です。

管理人まーる

パニック障害を克服した元商業ライター現医療機器系OL | 上級心理カウンセラー(民間)| 80年代生まれ | 旅行大好き | 乗り物・フルタイムのお仕事OKすこぶる元気 | 服薬・通院はしなかったためお薬には疎い

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