認知行動療法

顔を洗うのだって大きな1歩だ

こんにちは、まーるです。

(音声版はこちら↓)

認知行動療法って、最初の一歩を踏み出すのが一番大変なんじゃないかと思うんです。

私、最初に通勤電車でパニック発作を起こしてまもなく、海外旅行を決行したんですね。発作を起こすずっと前から予約をしていた旅行で、キャンセルするのがもったいなくて。すごく楽しみにしていたから。

その時はまだ、電車で起こした発作が何だったのか分かっていなくて、メンタルクリニックにも行ってなかったんですね。
ただシンプルに「会社に行きたくない病」だと思ったんですよ。だからこそ旅行でストレス発散すれば治るとも思ったし。

ところがですね、案の定旅行中に発作を起こしまくってしまいまして。

行き帰りの飛行機はもちろん、行く先々で発作を起こしちゃいました。ホテルの中でも。
なので2週間の旅行中ほとんど寝ることもできませんでした。
私本当ならいつでもどこでもすぐに爆睡できるんですよ。それだけはけっこう自慢だったのに。

とにかく大変な旅行になりました。
何よりショックでした。

息抜き&生きがいの旅行で発作が起きてしまうとしたら、今後何を生きがいにしていけばいいのか。もう「人生終わった」と思いましたよねー。
それでかなり落ち込んだせいもあって、帰国後急激に症状が悪化して、予期不安や発作が頻発するようになっちゃったんですね。もう家でもどこでも、ふとした瞬間に予期不安と発作がやってくるようになって。

で、これはいよいよヤバイぞと、すぐさまメンタルクリニックに行きました。で、パニック障害と診断されたわけなんですけど。

それからすぐにお散歩を始めたんですね。とはいえ、最初はご近所を5分ぐらい歩く程度でしたけど。
あと、自律訓練法も朝の日課にしました。

自律訓練法のやり方

私の疾患タイムライン - 曝露療法は三段構えだった

続きを見る

そういう意味では、家から一歩も出れずに寝たきりになってしまった時期というのは、それほどありませんでした。
その点、最初の一歩(お散歩や自律訓練法)を踏み出すのは、個人的にはそんなに大変ではなかったと記憶しています。

でも、そもそもあまり外出する機会がないとか、慢性的な症状で外出がなかなかできないとか、そういう感じで家にいる事が多くなっている人もたくさんおられると思います。
そうなると、外に出る事自体が大変になってきますよね。着替えやら準備やら、それなりに色々あるし。

何もできない時間が長くなればなるほど、最初の一歩を踏み出すハードルが高くなってしまうんですよね。

だから、最初の一歩をどう踏み出すか、何を最初の一歩とするのかは、本当に個人によると思うんです。
「あれをしろ、これをしろ」と第三者が簡単に言えるような事じゃないんだろうなと。

その人にとっての「第一歩」は何なのかって考えた時、それは朝起きる事かもしれないし、起きて顔を洗う事かもしれない。
朝日を浴びる事かもしれないし、ラジオ体操をしてみる事かもしれない。服を着替える事かもしれないし、掃除をする事かもしれない。

本当に人それぞれなんだと思います。

寝る前にストレッチをする事かもしれないし、お風呂に入る事かもしれない。

お風呂が怖いっていう人は少なくないですよね。私も最初はそうでした。
足湯でさえも怖くなって途中でやめてしまう事がありましたから。

なのでですね。お散歩はいいですよーってこれまでの配信でも散々オススメしてきたんですけど、外に出るのが既に怖いという場合にはまず、家の中でできる事からやってみるのがいいと思います。

それが認知行動療法の第一歩になるはずなので。

あの人がコレやってるから真似してみよう、とかいうのも一つのきっかけではありますけどね。
でもまずは自分にとっての第一歩は何なのか、ですよね。

他人に合わせず、焦らず、自分の一歩を踏み出せるといいなと思います。
(おわり)

管理人がクリニックの先生にオススメしてもらった本。パニック障害の基礎情報と治し方を知るのに最適です。

管理人まーる

パニック障害を克服した元商業ライター現医療機器系OL | 上級心理カウンセラー(民間)| 80年代生まれ | 旅行大好き | 乗り物・フルタイムのお仕事OKすこぶる元気 | 服薬・通院はしなかったためお薬には疎い

-認知行動療法
-