パニック障害の治し方

共感を得ようとしたら大抵落ち込む

こんにちは、まーるです。

(音声版はこちら↓)

パニック障害って、なかなか理解されにくい疾患ですよね。
電車に乗るのが怖いとか、人混みが怖いとか、高速道路に乗るのが怖いとか。

疾患にかかった事のない人からすれば、単純に「なんで?」という話だろうから、やはりなかなか理解は得られにくいだろうなと。
で、分かってもらえないという事でショックを受けたり落ち込んだりして、そのせいでうつ症状が出てくるような事もよく聞く話です。

かくいう私はというと、諦めていました。諦めるというか、分かってもらおうとしないようにしていたというか。

パニック障害の原因は主にストレスだと言われていて、私自身、日頃から強いストレスを感じてはいました。だけど、そのストレスがどこからやってくるかについて、まったく見当がついていなかったんですね。

でも回復のためにはまずこのストレスを何とかせねばならんと。さらにはストレスを溜めにくいメンタルを手に入れねばならんと思って。
ひとまず、そういう類の心理系の本を色々読んでみたんですよ。アドラー心理学とかウィリアム・グラッサーのリアリティ・セラピー(現実療法/選択理論)とか。
で、いくつか本を読むうちに、私のストレスの輪郭がようやく見えた気がしまして。元凶は承認欲求じゃないかと。

私、承認欲求の塊だったんですよね。それこそSNSで血眼になってリア充アピールをするような。ザ・かまってちゃん。
でも承認欲求って満たされたためしが一度もないんですよ。満たされないから、いつまでも他人の承認を求め続けてしまう。
浜に打ち上げられた魚のように、力尽きるまで空気を求めてパクパクしているような、そんな感覚さえありました。

アドラー心理学や選択理論の根底に「他人は変えられない」という考え方があります。

実際のところ、その通りですよね。
自分に心と意志があるように、相手にも心と意志がある。自分がどれほど相手に変わる事を望んでも、相手を確実に変える方法などないんです。

私がどれほど強く「認めてくれ、分かってくれ」と願ったところで、相手は基本的に変えられません。相手が変わる時は、その人自身が変わろうと決めた時です。誰かの働きかけがきっかけだったとしても、それはあくまできっかけに過ぎないわけで。

承認欲求って徒労に終わるんですよ、大抵の場合。費用対効果が悪いというか、徒労に終わりがちというか。
つまり私はずっと徒労を重ねていたんだという事に気づきました。そして、それがストレスになっているんじゃないかという事にも。

で、ストレスケアの意味も大いに込めて、「分かってもらおうとしない」事にしました。疾患のことも。
ただでさえ分かってもらいにくい疾患なのだから、なおさらそこを頑張るのはストレスになるだけだと思って。
もちろん理解を示してもらえたら、うれしいですけどね。でもそれは「分かってもらえてラッキー」ぐらいに捉えておいた方がいいんだろうなと。

もとより、分かってもらったところで疾患が治るわけでもないですしね。

お医者さんもね、いろんな人がいるじゃないですか。じっくり話を聞いてくれない人も少なくない気がするんですけど。
でもお医者さんの仕事って「共感」じゃなくて「治療」じゃないですか。共感で疾患が治ればいいんだけど、そういうわけじゃないから。
なので、話を聞いてくれないとか、共感の言葉を掛けてくれないとかいうので、お医者さんの良し悪しは判断できないんだろうと思います。

でもやっぱり話を聞いてほしい、共感してほしいという想いはありますよね。共感してもらうだけでずいぶん安心感を得られるから。
そういう時は、お医者さんじゃなくてカウンセリングの専門家を頼るのがいいのかなと。

カウンセラーにも色々ありますけどね。関連する資格が色々あって、私も「上級心理カウンセラー」というたいそうな名前の民間資格を持ってはいますが、正直素人に毛が生えた程度の知識しかありません。(簡易的なアドバイス程度ならできるのだけど、お金をもらえるほどの専門性はないです。)

もしお金を払って相談するなら、やっぱり本格的な資格保有者の方が適任だと思いますよ。臨床心理士とかね。つい2、3年前には心理職唯一の国家資格もできましたよね、公認心理師という。そういうちゃんとした人の方がいいです。
カウンセラーのレベルを維持&底上げする意味でも、専門性の高い資格保有者がちゃんと食べていけるようにした方がいいですからね。

ちょっと脱線しちゃいましたが。

ともあれ。私は「分かってもらいたい」というある種の執着を手放せた事でストレスが減って、治療に専念する事ができました。
「分かってくれ、気付いてくれ、認めてくれ」という自らの強い執念に苦しんでおられる方は、アドラー心理学や選択理論を学んでみるというのもけっこうオススメです。

ただ、執念があまりに強い時に学んでも、なかなか受け入れがたい論理ではあるのかなと。
私もたぶん疾患にかかったあのタイミングでなければ、自分自身をまじまじと見つめ直すようなこともなかっただろうし、アドラー心理学もいまだに受け入れられていなかったんじゃないかと思います。

何事も出会うタイミングは重要ですね。
(おわり)

管理人がクリニックの先生にオススメしてもらった本。パニック障害の基礎情報と治し方を知るのに最適です。

管理人まーる

パニック障害を克服した元商業ライター現医療機器系OL | 上級心理カウンセラー(民間)| 80年代生まれ | 旅行大好き | 乗り物・フルタイムのお仕事OKすこぶる元気 | 服薬・通院はしなかったためお薬には疎い

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