パニック障害の治し方

「不安になったらどうしよ?」という謎の不安

こんにちは、まーるです。

(音声版はこちら↓)

不安になったらどうしよう?」という謎の不安ってありませんか?

私はちょっとあったんですよ。
そもそも予期不安って、「また発作が起きるかもしれない」「発作が起きたらどうしよう」っていう類の不安じゃないですか。それがパニック障害における予期不安の定義だと思うんですけど。
その一方で、「不安になったらどうしよう」という不安に対する謎の不安も時々あったんですよ、私。

みなさんはどうですか? 時々こういう話を耳にするので、もしかするとけっこうあるあるなのかもしれないなと。

結論から言うと、この謎の不安、対策が必要です。放置はよろしくありません。

不安になったらどうしよう、と言うのはつまり、不安と発作を同等に位置付けているという事です。
不安も発作と同様に「起きてはいけないもの、起きると大変なもの」だと脳が認識してしまっている。
本来は「発作が起きたらどうしよう」「倒れたらどうしよう」「体調不良になっちゃったらどうしよう」という不安だったはずなのに、それがいつの間にかねじれてしまっているわけです。

なぜねじれてしまうのか。それは、発作が起きる前に必ず予期不安が出るから。
不安と発作はセットだいう思い込みが、ねじれを生んでしまうんですね。

ただ、この認識にはそもそも誤解があって。
身体の仕組み的にも不安と発作は別物なんですよね、実際は。

発作の原因は過呼吸です。不安や緊張を感じると無意識のうちに過呼吸になってしまいます。そのせいでいつの間にか発作が出てしまうわけだけど、まさに「無意識」だから過呼吸になっている事に気付かないんですよね。だから「不安」と「発作」が直結していると感じてしまうんです。本当は「不安」と「発作」の間に「過呼吸」がプロセスとして挟まっている

という事は、どれだけ不安や恐怖が高まっても、呼吸さえコントロールできれば発作は起きないはずなんです。
「発作が怖い=不安が怖い」と思わなくてもいいんです、本当なら。

不安や恐怖を「感じてはいけないもの」「悪いもの」だと思ってしまうのは、本当によくないんですね。
なぜって不安も恐怖も、誰もが持ち合わせている感情だから。

疾患にかかる前も、みんな不安や恐怖を感じていたはずですよね、大なり小なり。
人前で話したり、初めて何かをやる時なんか、やっぱりちょっと緊張します。ホラー映画を見れば恐怖を感じたりもするじゃないですか。
それは、疾患が治ってもやっぱりそうなんです。緊張も不安も恐怖も人並みに感じます。

緊張、不安、恐怖を「良くないものだ」「発作の前兆だ」と思ってしまうと、回復というのはもう、今後一切緊張も不安も恐怖も感じる事のない超人・宇宙人を目指す事になってしまいます。そんなの無理です。変です。

だから、予期不安を悪者にしないようにしなければいけないんですね。
「不安になったらどうしよう」というのは、既に不安を悪者にしてしまっている傾向があるということですから。修正が必要です。

具体的にどうするかというと、「不安になったらどうしよう」と感じた時に、すぐ修正を入れるようにするんです。
「いやいや、この不安は不安に対する不安じゃなくて、発作に対する不安だよね」と、自分の思考に修正を入れる。いちいち自分に確認を取る。そしてちゃんと自覚する。

これ、けっこう大切な作業だと思います。不安を悪者にしないために。宇宙人を目指さなくてもいいように。

例えば認知行動療法をやる時に「電車で隣の駅に行く」という目標を立てたとするじゃないですか。そして、予期不安を抱えながらなんとか隣の駅に行けたとする。大成功です。本当なら「よし!」「がんばったぞ自分!」となるべきところ。

だけど、不安が悪いものだと思っていると、途中で予期不安が出てきた事が残念で喜べないんですよね。
目標が達成できても、それが成功体験としてきちんと積み重ねられない。そういう弊害も出ちゃう。

なので、不安に対する謎の不安はいちいち解消していった方がいいです。
「いやいやいや。この不安は発作や体調不良に対する不安ですよね」と。これ本当に大事だと思います。
(おわり)

管理人がクリニックの先生にオススメしてもらった本。パニック障害の基礎情報と治し方を知るのに最適です。

管理人まーる

パニック障害を克服した元商業ライター現医療機器系OL | 上級心理カウンセラー(民間)| 80年代生まれ | 旅行大好き | 乗り物・フルタイムのお仕事OKすこぶる元気 | 服薬・通院はしなかったためお薬には疎い

-パニック障害の治し方
-