認知行動療法

ちっとも頑張らない短期バイトチャレンジの話

こんにちは、まーるです。

(音声版はこちら↓)

コツコツ散歩して、外出もそこそこできるようになってきた頃に、社会復帰第一弾として短期バイトをしたんですよ。

私、一番最初にパニック発作を起こしたのが電車の中だったんですよ。だからその頃はまだ電車は怖くて。
原付で行ける範囲の場所で短期バイトを探したんですね。特に重要視したのが「大量募集」というやつ。
ありますよね、繁忙期対応で大量のスタッフを募集しているようなお仕事。

なぜ大量募集にこだわったかというと、その方が辞めやすいだろうと思ったから。

やっぱりまだ自信がなかったんですね。短期とはいえ最後までお仕事を続けられるかどうか。
で、あらかじめ辞める事を想定していたわけです。

一人だけの雇用だったら辞めづらいけど、大量にスタッフがいたらまだ辞めやすいだろうと。比較的ね。

そういうわけで、見つけたのが2ヶ月の期間限定で、かつ大量募集のお仕事。通勤は原付で15分ぐらいのところ。

しかしまあ、最初の面接が既に難関でした。
面接って、そこそこの時間拘束じゃないですか。当時の私にとっては時間拘束が最大の敵でしたから。
いつでも自由に逃げ出せるところじゃないと、予期不安に押しつぶされそうになってしまって。

だからもう必死でした。思えばほとんど記憶がない。何を聞かれたか全然覚えてない。ただ「はい、はい」って返事をしてただけ。
ひたすら一生懸命呼吸法をやっていました。

ただ、そもそも大量募集の短期バイトの面接ですから、「志望動機は?」みたいな野暮な質問はされないので。
きっとみんな「近場で働きたい」とか「ちょっと短期でお金稼ぎたい」ぐらいの動機だろうと思う(知らんけど)ので。もしかすると私みたいに、リハビリのためという人もいるだろうから。

なので5分程度の面接だったかもしれませんが、ともあれ必死でやり過ごしました。
で、なんとか採用してもらって働き始めたわけですが。

最初は、すっごく緊張しました。

お歳暮のおかきを梱包するというお仕事だったんですけども。注文通りおかきを段ボールに詰めていくという。終始立ち仕事でした。

就業開始時にいつも5分ぐらいの朝礼があって。みんなで円になってリーダーの指示を聞くみたいなやつ。
最初のうちは全然聞いてなかったですね。余裕がなくて。もう呼吸法に必死で。
倒れますまい! 発作起こしますまい! って事だけを考えていたので。

申し訳ないですけどね。雇ってくださった人には。
でも、そこは割り切った方がいいです絶対。リハビリなんで。
「できる限りの事は頑張りますけど、でも私リハビリ中なんで。ごめんね?」と心の中でテヘペロしながら。
テヘペロでいいんです、もう。真剣に「申し訳ない!」と思ってしまったら、罪悪感でいたたまれなくなりますからね。

こういうメンタルの疾患にかかる人って、「期待に応えなきゃ」っていう気持ちが強いというか、そういう意味で真面目な人が多いと思うんですね。私自身はそこまで真面目ではないんですけど。

迷惑をかけたら申し訳ないとか、生半可な気持ちで仕事したら申し訳ないとか、そう感じちゃう人も少なくないかとは思うんですけど、ここはもう割り切った方がいい。
自分のためですから。自分の人生のためなので

そんなこんなで最初のうちはあらゆるタイミングで緊張して不安に襲われたんですけど、案外慣れるもんで。
結論としては、無事2ヶ月バイトをやり切ることができました。
それどころか、開始2週間ぐらいでずいぶん不安は和らぎました。慣れました。
朝礼の話も入ってくるようになったし。終盤はけっこう余裕すら感じたりして。

最終的に、ものすごーく自信になりました。

で、勢いに乗って。
終了後、また別の条件で短期バイトをやったんですね。
今度こそいよいよ電車で通勤してみようと。ただそんなに長時間は乗れないので、片道1、2駅ぐらいのところで。
期間もちょっと伸ばして半年ぐらいの契約で。大量募集じゃなくて1名の雇用。さらにはオフィス風味の堅苦しさもちょっとプラス。

やっぱり最初は緊張しましたが、それも1、2週間ぐらいで慣れました。懸念していた電車も。
最初は1駅乗るのも勇気を振り絞らないといけなかったのだけど、毎日乗るうち徐々に不安は無くなっていきました。

毎日行きと帰りに電車に乗るという事は、1日2回認知行動療法をやる形になるわけですから。強制的に。
そりゃもう力になりましたよ。1、2駅といえど。

そんなふうにちょっとずつちょっとずつ負荷をプラスして、断続的にバイトを続けていきました。
で、最終的にフルタイムで働けるようになったという感じ。

認知行動療法って、できるだけ毎日やった方がいいんですよね、きっと。
脳の学習システムは常に同じだから、何度も何度も繰り返す事が記憶の要なわけじゃないですか。
九九や漢字を覚えた時もそうだったと思うんですけど、期間が開くと忘れてしまいがちなんですよね。英単語とか受験勉強とか。
なので、できるだけ間を開けずに繰り返すことが大事なわけで。

そういう意味では、毎日通勤することが認知行動療法の継続に繋がって、すごく効果的だったんだろうと思います。
認知行動療法の効果を最大限に引き出せたような感じがあります。うん。

なのでですね、外出できるようになってきた頃の短期バイトはオススメなのです。
最初はすごく緊張すると思うのだけど、ダメならダメで辞めればいいし。そこは割り切って。

変な覚悟はしない方がいいですぞ。「最後まで絶対続けてやる!」みたいな。
逃げ道を残しておく事は、思いのほか大事です。
(おわり)

管理人がクリニックの先生にオススメしてもらった本。パニック障害の基礎情報と治し方を知るのに最適です。

管理人まーる

パニック障害を克服した元商業ライター現医療機器系OL | 上級心理カウンセラー(民間)| 80年代生まれ | 旅行大好き | 乗り物・フルタイムのお仕事OKすこぶる元気 | 服薬・通院はしなかったためお薬には疎い

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