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不安感や恐怖感は脳の「勘違い」である

これまで、パニック発作から予期不安、回避行動に至る症状の推移を解説してきました。ここで、改めてハッキリさせておきたい事があります。

過労または心労によるストレスで強い発作を起こした後、「また発作を起こすのではないか」と不安を感じるようになる一連の流れ。これは、降って湧いたような原因不明の病などでは決してありません。むしろ、ごく自然に起こる条件反射のようなものです。

「死んでしまうのではないか」と感じるぐらいの強い発作を経験し、再び同じような場所や環境下で「また同じ事が起こるのではないか」と不安になるのは、考えてみれば普通の事です。そして不安感が高まると無意識のうちに過呼吸になるのも人間の生理現象。言わばパニック障害は、自分の脳や身体が基本的な役割を果たしている証拠とも言えるでしょう。

言われてみると確かにそうだなあ。パニック障害は原因不明の病気なんかじゃないんだね

 

ではパニック障害、不安障害の問題点は一体どこにあるのか。ちょっと考えてみましょう。

そもそも一番最初に大きな発作を起こしたのはいつどこで、どんな状況でしたか。仕事や介護でひどく疲れていたり、睡眠不足が続いていたり、人間関係やお金の事で精神的に疲れていたり等、とにかく肉体的・精神的ストレスがかなり溜まっている状態ではなかったでしょうか。ほとんどの場合、最初のパニック発作はストレス過多が原因だと言われています。

まずはしっかりと栄養を摂って、ゆっくり身体と心を休めてくださいね

 

その後どのような場所や状況で、予期不安・パニック発作を起こしそうになったり、起こしたりしますか。最初に発作を起こした場所、あるいはそれに似たような環境で強い不安感や恐怖感を覚える事が多いと思います。また前回解説した「回避行動」を続けるうちに、ちょっとした環境の変化などで不安になったり発作を起こしたりするようになった方もいるでしょう。

この時、脳は命の危機を感じています。「ここにいると危険だ」「死んでしまう」「逃げ出さなきゃ」と感じて呼吸量を増大させていきます。そして知らず知らずのうちに過呼吸に陥ってしまうという仕組み。

でもちょっと待ってください。その時本当に命は危機に瀕しているでしょうか。そんな事はありませんよね。ある時はただ電車に乗っているだけのはずです。またある時は食事をしているだけ。あるいは一人で留守番をしているだけ。命の危機とはまったく無縁の状況のはずです。

そう、これらはすべて脳の勘違い。ちっとも命の危険など無いのに、以前強いパニック発作を経験したせいで、同じような状況を命の危機だと勘違いしてしまっているのです。

パニック障害は脳の勘違い

パニック障害・不安障害は理由もなく突然引き起こされる病気などではなく、人間の生理反応に基づいた条件反射のようなもの。強いパニック発作を経験したせいで、同じような場所や状況を「命の危機」だと勘違いしている。

 

脳の「勘違い」を修正するためには

パニック障害・不安障害を治すという事は、つまり脳の勘違いを修正するという事。そしてその治療法は、命の危機を感知した脳に「勘違いなんだよ、思い込みなんだよ」と教えてあげる作業、ということになります。

さて。勘違いや思い込みをした時、どのようにすればそれを修正できると思いますか。

例えば、ある人気俳優の名前を勘違いして覚えていたとしましょう。正しい名前を知って勘違いを修正するとしたら、例えばどんなタイミングでしょうか。それは映画のエンドロールでその俳優の名前が流れてきた時かもしれませんし、ネットニュースでその俳優が取り上げられているのを見た時かもしれません。ともあれ脳が「勘違いだったのか」と認識するのは、「実際に」自分の目で名前を確認した時ですよね。

例を変えてみましょう。例えば、職場のある同僚の事をあまり良く思っていないとします。

生々しくてごめんなさい(笑)具体的に例をあげた方が想像しやすいかと思いまして

 

「彼女は嫌な人だ」と思い込んでいる状態ですね。この思い込みが別の印象に上書きされるとしたら、例えばどんなタイミングでしょう。彼女が仕事をカバーしてくれた時でしょうか。いや、その1回ではなかなか印象は変わらないかもしれません。でもそれが何度も続いたらどうでしょう。さらには彼女が業務改善を上司に進言しているのを聞いたり、新入社員を励ましているのを見たりしたら?

そんなふうに真面目な一面や優しい一面を何度も見たり聞いたりするうちに、彼女の印象はすっかり良いものに変わるかもしれませんよね。そしてこの場合もまた脳が「思い込みだったのか」と認識するのは、「実際に」自分の目や耳で情報を見聞きした時です。それも1回ではなく何度も

パニック障害や不安障害の場合も、これとまったく同じ事が言えます。

「危険だ」「死ぬかもしれない」という脳の勘違いを修正するためには、「実際に」その場所や状況で発作を乗り切る経験を「何度も」重ねて、「勘違いだったのか、思い込みだったんだな」と改めて認識させなければいけません。

この「実際に」「何度も」という条件を満たすために、回避行動をやめて「苦手なシチュエーションにチャレンジ」するわけです。そしてその際に発作を乗り切る方法として「呼吸法」を学んだというわけなんです。

なるほど、点と点が線で繋がったような気がするよ。勘違いを修正するためだと思ったら、回避行動をやめなきゃいけないのも納得できる

 

認知行動療法がパニック障害の再発を防ぐ理由

認知行動療法の利点の一つに「パニック障害やうつ病などにおける再発率の低さ」が挙げられています。その理由は、これまでの解説からもなんとなく想像がつくかもしれません。

勘違いしていた俳優の名前を正しく覚え直した場合、それを再び同じように「勘違い」し直すのは、むしろ難しいことのような気がしませんか。例えまた勘違いしてしまったとしても、「あ、そういえば前も同じ事があったな」と思い出しやすくなるんじゃないでしょうか。

パニック障害や不安障害もやはり同じです。

認知行動療法でパニック障害や不安障害を治療するのは、俳優の名前を正しく覚え直したり、同僚が別の印象に変わったりするのと同じ仕組みですから、一度「勘違い」を修正した後ふたたび同じように勘違いする可能性が低くなるのも頷けます。またもし再発したとしても、改めて回復するまでの時間はおそらく短くなるでしょう。

しかも副作用もありません。認知行動療法を多くの方に試していただけるといいなと思っています
なんだかアナログな治療法だけど、一番信頼性が高いような気もしてきたよ

 

近頃は認知行動療法主体の治療を掲げたメンタルクリニックも増えていますし、関連書籍も多数販売されていますので、取り組みやすい環境は整ってきつつあると思います。

最後に、改めて認知行動療法の3つの目的を。

3つの目的

  • パニック発作を予防する
  • 苦手なシチュエーションを克服する
  • 不安感や恐怖感は「勘違い」である事を理解する

不安感などに直接作用する薬物療法に対して、認知行動療法の効果を実感できるまでにはそれなりの時間と努力が必要です。しかし投薬が一時的な対症療法である一方、認知行動療法は長い目で見て非常に効果が高く危険性のない治療法です。

苦手なシチュエーションに挑戦するのは、やはり不安だし怖いですよね。でも呼吸法が必ず力になってくれますから、コツコツ練習を続けてみてほしいと思います。しかしいったん認知行動療法を中断すると、再開するまでにまた不安や恐怖がぶり返す事もあります。

ですから、できるだけ定期的に。

怖ければ怖いほど頻繁に。

初めのうちは、週3〜4回を目標に取り組んでみてください。

 

抗不安薬のこと

「勘違いを直す」という観点で治療を捉えた時、抗不安薬がどのように作用するのか考えてみるのもいいかもしれません。抗不安薬は、その時感じている不安感や恐怖感をぼんやりさせる効果はありますが、「勘違い」そのものを修正してくれるわけではありません。

抗不安薬を服用してもしなくても、認知行動療法で勘違いを修正する事は必要になりますので、服薬中の方にも記事の内容が参考になるのじゃないかと思います。

 

シリーズ1回目から読む

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ここに記載の治療法や対処法は、あくまで個人的見解に基づいています。 効果の有無や程度は保証できませんので、ふーん、そういう事もあるんだねー、ぐらいの感じでご理解いただけると幸いです。
ブログ管理人の自己紹介とパニック障害の経緯などはコチラ→「ごあいさつ

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