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認知行動療法① パニック発作を予防する

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パニック発作の症状をコントロールするために

まずはちょっと、これまでのおさらいを。

パニック発作は、理由もなく突然起きるわけではない

最初の発作の多くが、ストレス過多が原因だと言われています。

そして一度強い発作を経験したら、「またあの発作が起きたらどうしよう」という不安感に常に苛まれるようになる

これが「予期不安」と呼ばれる症状でしたね。

つまりパニック障害の症状というのは、「パニック発作」と「予期不安」という2つの要素が重なっていることになります。この2つの要素に線引きをすることは案外大事です。発作は発作、不安は不安。「別物なんだなあ」ぐらいの軽いイメージでいいので、2つの要素をなんとなく切り分けする意識を持ちましょう。

切り分けるってなかなか難しいなあ。だって不安感が強まると、それが引き金になって発作が起きるんだもの

そうですね。パニック障害の予期不安を抱えておられる方の多くは、このような実感をお持ちではないでしょうか。

不安や緊張が高まると、それが引き金になって息苦しさや震え、めまい、死ぬかと思うほどの恐怖感が連鎖的にやってくる」と。

その実感はたしかに間違っていません。実際ほとんどの場合、「また発作が起きるかもしれない」という不安感が高まるにつれてパニック発作は引き起こされます。

でも実は、この認識は完全に正しいとは言えないのです。パニック発作を起こすメカニズムには、ある一つの「正体」があります。それは「過呼吸」です。

パニック発作を起こす流れ


  • 予期不安を感じる

    苦手な状況下(電車や人混みなど)で「また発作を起こしたらどうしよう」という不安感に襲われる。


  • 過呼吸になる

    不安が高まるにつれ、無意識のうちに過呼吸になる。


  • パニック発作の症状が出る

    息切れや、めまい、吐き気や恐怖感などが連鎖的に起こる。


不安感が高まると、人間の身体は呼吸量を増大させるようにできています。そして無意識のうちに過呼吸に陥ります。この時の神経系の働きなどをここで詳しく解説はしませんが、もし興味があれば関連書籍などを読んでみられるといいかもしれません。

ひとまずここで、「不安感の高まり」と「過呼吸」に関連性がある事が分かりました。

パニック発作が起きるメカニズム

不安感の高まり」が「過呼吸」を引き起こし、過呼吸が原因で「パニック発作」が起きる

うーん、今まで予期不安を感じた時に過呼吸になった事はないんだけどなあ…

次に過呼吸についてもう少し詳しく解説してみます。

 

過呼吸ってどういうもの?

過呼吸に陥ると、人はどのようになるのでしょう。その症状を具体的に挙げてみますね。

過呼吸の症状

  • 息苦しさ
  • ふらつき
  • めまい
  • 自分の体が非現実的に感じる
  • 困惑する
  • 手足がしびれる
  • 発汗
  • 疲労感
  • 筋肉がこわばる
  • 吐き気
  • 胸の圧迫感
  • 心臓発作や脳出血が起こるのではないか、死んでしまうのではないかという強い恐怖

さて。以前にもパニック発作の症状を列挙しましたが、その症状とここに挙げた過呼吸の症状がほとんど同じであることに気づかれたかもしれません。また実際にご自身が感じている症状と、ここに挙げた症状もほとんど同じなのではないでしょうか。

そうです。つまりパニック発作の症状は、そのほとんどが過呼吸の症状なのです。

パニック発作の正体

パニック発作は理由もなく突然起こるのではなく、実はその原因は不安感によって引き起こされる過呼吸によるものである

えっ、過呼吸の症状って呼吸困難になってハアハア苦しくなる事だけだと思ってたなあ
そう思っている人は多いと思います。かくいう私も以前はそう思っていました

これで、パニック発作をやっつける方法が見えてきたのではないでしょうか。パニック発作の大部分が過呼吸によるものなのであれば、過呼吸にならなければ発作を防げるという事になります。過呼吸にならない方法を身につければいいんです。

では早速、その方法を解説しますね。

 

過呼吸を防ぐ「呼吸法」とは

人間は、通常1分間に10〜12回の呼吸をしています。一度の呼吸に5〜6秒使っている事になります。過呼吸とは、この呼吸回数を上回った状態の事です。いつもより呼吸回数が増えて、酸素を多く取り込みすぎている状態です。

通常の呼吸数 1分間に10〜12回 = 一回5〜6秒 = 3秒吸って3秒吐く
過呼吸の時の呼吸数 通常時の呼吸数を上回っている = 【例】1〜2秒吸って、1〜2秒吐く

パニック発作を起こしている時は、不安感によって無意識に呼吸回数が増えていますので、意識的に通常の呼吸回数に収めるようにすればいいのです。過呼吸が収まれば、自然とパニック発作も収まります。

パニック発作が起きると、息苦しくてもっと酸素を取り込まなきゃいけない気がしていたけど、実際には息を吸いすぎていたんだねえ
意外な感じですよね。でも仕組みが分かると、ちょっとホッとしますよね

通常の呼吸回数が分かったところで、いよいよ実際に呼吸法を試してみましょう。

 

呼吸法のやり方

不安感が高まりはじめた時、またはパニック発作の症状が出始めた時に、すぐさま次の工程を始めてください。

パニック発作をやっつける呼吸法

  • その時にしていた事をいったん中断し、腰を下ろすなり何かにもたれかかるなりして体勢を楽にする
  • 息を止めて10秒数える(この時、深く息を吸わないこと)
  • 10秒数えたら、「落ち着こう、リラックスしよう」と心の中で唱えながら静かにゆっくりと息を吐く(鼻を通して息をするのを忘れないこと)
  • 3秒息を吐いて、3秒息を吸う(これを1セットとする)
  • これを10セット繰り返して、10セット終わったらまた①に戻って10秒息を止める
  • 以上を、過呼吸の症状がすべて収まるまで繰り返す

不安感が高まった時、パニック発作が出そうだなと思った時、またはパニック発作の症状が出始めた時にすぐこの呼吸コントロールを開始すると、1〜2分の間に症状がある程度静まり、それ以上ひどくなる事はありません。

呼吸法は普段からマメに練習する事で上達していきます。いざ症状が出始めた時に焦らずスムーズに実践できるよう、普段からコンスタントに練習を続ける事が大切です

慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、練習するうちにどんどん上手くなってきますよ!

 

管理人まーのこぼれ話

実際、私も呼吸法に慣れるまでは何回か練習が必要でした。慣れないうちは、不安感に飲まれてしまったり頭が真っ白になったりして、うまく実践できなかったもんです。最初のうちは呼吸を意識するだけで、かえって苦しくなって焦ったりもしました。

発作を起こしそうになるととにかく焦るので、正しい呼吸法を忘れてしまいがちです。また、いざという時に時計などを持っていなかったら、正確な秒数をカウントできなくて困りがち。

なので、簡単な動画を作ってみました(上に貼ったYouTube動画)。BGMを入れていないので、音漏れも気にせず再生できると思います。焦って頭が真っ白になってしまった時などに、お役に立つとうれしいです。

呼吸法は実践あるのみ。慣れると最強の味方になってくれます。ぜひぜひお試しください。

次に、「苦手なシチュエーションを克服する」方法について解説していきます。

次はこちらをCHECK

認知行動療法② 苦手なシチュエーションを克服する

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