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【パニック障害】症状の回復を深層心理が邪魔していたという話

こんにちは、あろはー。管理人まー、です。

今日は私が実践した認知行動療法について、ザザザッとまとめてみたいと思います。そして、発作の要因が思わぬところに隠れていた話もついでにひとつ。

 

思考のクセを治し、ひたすら行動する事で自信をつけていく認知行動療法

パニック障害やうつ病の治療に効果的だと言われる(4)認知行動療法」。具体的には「認知療法」と「行動療法」に分けられます。

認知療法とは、本来なら何一つ恐れる必要のない場面で無用の恐怖を感じてしまう(例えば、電車に乗ると恐怖を覚えるなど)ような「認知のゆがみ」を修正していく治療法

行動療法とは、恐怖を感じる状況にあえてチャレンジして成功体験を積む事で自信をつけていく治療法。電車で恐怖を感じる人なら、何度も電車に乗って自信を取り戻していくことになります。

認知療法で思考のクセ(専門的には「自動思考」と言う)を把握して、行動療法で本来あるべき思考を頭に叩き込んでいく。

ざっくり言えば、座学と実技。厳密にはちょっと違うのだけど、イメージとしてはそんな感じです。

私がパニック障害を克服できたのは、90%が認知行動療法のおかげだと思っています。

 

不安レベルを設定して、1段階ずつチャレンジを重ねていった

私の場合、わりと早い段階で呼吸法を覚えて「とにかく呼吸コントロールさえすれば大丈夫」という結論に落ち着いたので、あとは「行動療法あるのみ」という状態でした。

ということでまず、恐怖を感じる状況にそれぞれ不安レベルを設定して、レベルの低いものから順にチャレンジし、徐々に恐怖に慣れていくようにしました。

これ「エクスポージャー法」とも呼ぶらしいです。当時は名前なんて意識せずにやっていましたが。

私が設定した不安レベルはこんな感じです。(不安レベル低→高)

私がやった行動療法(ざっくり)

  • 近所を散歩する
  • バス(10分)に乗って駅に行く
  • 各駅電車に乗る
  • 車に乗る
  • 車で高速道路を走る
  • パートの仕事をする(週3日ぐらいから)
  • フルタイムの仕事をする
  • ホテルに1泊する
  • 高速バスでどこかに行く
  • 飛行機で海外に行く

こうして見ると完全に旅仕様ですね。もう本当に旅行が生きがいなもんで。

不安レベルの低いものから順に、ひとつひとつチャレンジを重ねました。そして一進一退を繰り返しながら、少しずつ自信を取り戻していきました。

当初はお風呂や足湯も怖かったし、家族の生活音でもビクビクしていたのだけど、こうして自信がついていくと同時に、日常の瑣末なドキドキもなくなっていきました。

 

「自分でちゃんとコントロールした」のだという事を、毎回ちゃんと自覚する

ひとつ心がけたのは、何かにチャレンジして乗り切った時に「なんだかよく分からないけど大丈夫だった」と思わないようにした事。

大丈夫だった理由をちゃんと明確にするようにしたのです。その方が認知療法の効果が高まると思ったから。

チャレンジの後はいつも「私が呼吸をコントロールしたから大丈夫だったんだ」という思いを、噛みしめるようにしました。

これは自己催眠の類ではありません。実際、発作を起こさずに済んだのは呼吸コントロールのおかげでしたから。逆にチャレンジがうまくいかない時は、概して呼吸コントロールができなかった時でした。

成功体験噛みしめ作戦」。これはかなり効果的だったと思います。

おかげで、迷わずスムーズに呼吸をコントロールできるようになったし、ちゃんと回復に向かっているという実感を得る事もできました。

 

認知行動療法と同時進行で、ストレスの原因を探る

あと、パニック障害の原因って、そもそもストレス(1)ですよね。だからストレスの根本を解消していく作業を、認知行動療法と同時進行でやっていきました。

私のストレスの原因は、いろいろあったのだけど、1番大きかったのが「親」の事。

物心ついた頃から親の機嫌に振り回されてきたせいか、自分の感情をストレートに伝える術を知らなかったんです。「しんどいです」「これ以上ムリです」というのを、パニック障害になる事で間接的に訴えていた節は大いにあったと思います。

「ほらみろ、あなたたちが私を振り回すから、こんな病気になっちゃったんだぞ」という、ある種の見せしめのような。深層心理レベルだったので、まったくその自覚はありませんでしたが。

ストレスの原因を探っていく中で、ふと「私のパニック障害って、親に対する抗議も入っているのかもしれない」と思った時、ちょっと気持ちが冷めたんですよね。

抗議のためにこんなに苦しい思いするなんて、なんとナンセンスなんだろうって。何の得にもならんわいって。

その後、親とちゃんと話をして真面目に抗議しました。感情的になって泣いたりもしたけど、できるだけ冷静に。

同時に、これもちゃんと伝えました。

「育ててくれて感謝しています」

初めてちゃんと伝えられました。よかった。

この話し合いをきっかけに引越しを決めました。親とちょっと距離を置く事にしたんです。引越しをしてまもなく、ストレスがみるみる解消されました。つくづく、親との距離感がストレスの要因だったんだなあ、と。ストレスが解消されると同時に、症状も加速度的に改善していった気がします。

距離を置く事で、「親には親で色々あるんだろう」なんて事にも考えが及ぶぐらいには余裕も出ましたし。

今では本当に親子仲良しです。一緒に旅行なんかも行きますよ。

親とうまくコミュニケーションとるきっかけをくれたパニック障害、改めて感謝です。

 

ストレス解消のカギは深層心理にあるかもしれない

認知行動療法と同時に、ストレスの根本原因の解消を地道にコツコツやっていくのが回復へのセオリーです。

ストレスの原因を探っていく中で、ある種「見せしめ」的な要因はないか疑ってみるのも手かもしれません。

前に紹介した「不安障害の認知行動療法(1)パニック障害と広場恐怖 患者さん向けマニュアル」(星和書店)には、症状が続いた方が何か都合のいい事がある場合、それが「回復の妨げ」になる事がある旨の記述もありますし、選択理論の本(2)にも似たような内容の記載があります。症状が出る事に何かしらのメリットを感じている場合、それが無意識だとしても回復の妨げになりうる、と。

(1) ギャビン・アンドリュース他「不安障害の認知行動療法(1)パニック障害と広場恐怖」星和書店, 2003

管理人がメンタルクリニックの先生に紹介してもらった本です。これのおかげで回復したと言ってもいいほど役に立ってくれました。

(2) ウィリアム・グラッサー「グラッサー博士の選択理論」アチーブメント出版, 2000

「選択理論」を知ったおかげで、長年抱えていた怒りや悲しみを手放すことができました。人はいつだって変われるんだなあと、つくづく実感できた本。

ストレス解消のカギが、まさか深層心理に隠れていたとは。気持ちがクリアになったおかげで、私もずいぶん素直になれました。30年以上生きてきて、この時やっと大人になれたような気がしています。

 

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