私の心のお守りだった「ついでに1分呼吸法」

ここから先は、症状の具体的な描写を含みます。
そういう描写を読むだけでドキドキしてしまうという方は、ここでムリせず元のページに戻ってくださいね。

パニック障害発症以来、電車、バス、飛行機、車(高速道路や赤信号で停車中など)、スーパーのレジ、旅行先のホテルなど、いろんなところで発作を起こすようになりまして。はい、もちろん予期不安にもかなり悩まされました。

予期不安とは、パニック発作を一度経験して、あの恐ろしい発作がまた起きるのではないかという不安感が生じることです。パニック発作にはこの予期不安が必ず伴い、発作を繰り返すごとにこの不安がさらに強くなっていき症状を悪化させていきます。

UTU-NET パニック障害教室より

そう。予期不安とはそういうやつ。これがほんとに厄介。
いつまたパニック発作に襲われるか分からない。こないだの発作は軽めだったけど、次はもっと強いのがくるかもしれない。
そう思うと、何をするにも足がすくむのです。そのせいで乗り物や買い物はおろか外出すら怖くなり、やがて唯一の安全地帯だと思っていた家の中でさえ、ふとした瞬間に発作が起きるようになってしまいました。

私の場合、処方してもらった頓服薬・アルプラゾラム(ソラナックス)が何故だかまったく効かなくて、薬を飲んだのは1度きり。薬以外に何か頼れるものはないかと思っていた時、心療内科の先生が1冊の本を勧めてくれました。
それがこれ。

不安障害の認知行動療法〈1〉パニック障害と広場恐怖―患者さん向けマニュアル /星和書店

ここに、こんな事が書いてあったのです。

パニック発作のとき、多くの人は、息が苦しくて、「呼吸が足りない」と感じているかもしれませんが、実は、パニック発作のときは、呼吸し過ぎの状態になっていることがほとんどです。過呼吸こそが、パニック発作のときに起こるさまざまな身体感覚の原因です。

「不安障害の認知行動療法(1)パニック障害と広場恐怖 患者さん向けマニュアル」より

動悸、息切れ、めまい、ふらつき、感覚麻痺、胸の圧迫感、気が遠くなる感じ、冷感あるいは熱感、ふるえ、口の渇き、吐き気、腹部の不快感、目がぼやける、筋肉の緊張、頭が真っ白になる、死ぬかもしれない、気が狂うかもしれないという恐怖。これらの身体感覚は、おおよそ過呼吸の症状であり、つまり過呼吸になりさえしなければ諸症状は現れない。
みたいな事が書いてあって。

目からウロコがぽろり、でした。
それまで、発作の原因は「緊張や不安、恐れ」の感情だと思っていたのです。
「怖い、また発作が起きるかもしれない」という気持ちが風船みたいにどんどん膨らんで、パニック発作のスイッチをポチッと押してしまうようなイメージ。

だけど、緊張と不安が発作の直接的原因じゃないって事は、「怖い、どうしよう、嫌だ」という気持ちとパニック発作はまったくの別モノだということです。

頭に、ポンっとこんな絵が浮かびました。

ざっくりしたイメージ絵でごめんなんし。

つながってないんじゃん。なんだ、そうなんじゃん。
たとえ怖くても、過呼吸にならなければいいんじゃん。

過呼吸って、緊張したり不安になったりすると無意識的になるものだそうです。
私もパニック発作を起こす前は、不安のあまり知らないうちに呼吸が早くなっていたのでしょうね。なるほど、そういうことかー。

本には、過呼吸にならないための呼吸コントロールの方法も書いてありました。
この呼吸法のおかげで、これまで怖くてできなかった事(乗り物、買い物、パートタイムのお仕事などなど)にもチャレンジできるようになりまして。

いやはや。
人間というのは、思っているよりシンプルにできているみたい。

と、前置きが長くなってしまいましたが。
次にその呼吸法のやり方をご紹介します。

「ついでに1分呼吸法」のやり方

不安や緊張、恐れを感じている時、パニック発作が出そうだぞという時、過呼吸の症状が出てきたぞという時には、その時やりかけている作業を止めて、この呼吸法をすぐさま始めます。


  1. 息を止めて、10数える(このとき深く息を吸わないこと)
  2. 10まで数えたら、息を吐く(鼻を通して息をすることを忘れないこと)
  3. 6秒に1回の速さで呼吸する(3秒間息を吐いて、3秒間息を吸う)
  4. 10回呼吸するたびに10秒間息を止めて、それからまた6秒に1回の呼吸を続ける
  5. 過呼吸の症状がすべて消失するまで、この呼吸を続ける

本には他にもいろいろ詳しく書いてありますので、ご興味ある方はぜひ読んでみてください。

ちなみに、私は「ついでに1分呼吸法」と勝手に呼んでおりました。
6秒に1回の速さで呼吸すると、10回でちょうど1分になるから。

呼吸をコントロールしながら、ついでに1分カウントできるから「ついでに1分呼吸法」。センス!

正常な呼吸数って、だいたい10〜24回/分なのだそうです。ってことは1回空気を吸って吐くのにかかる時間は、2.5〜6秒。なるほど、この呼吸法はまさに理にかなっています。まあ、専門書だから当たり前か。
つまりこの呼吸法で、呼吸数を意識的に正常範囲に収めてコントロールしているというわけ。

これ、特に電車に乗る時なんか、おおいに助かりました。

各駅車両に乗るじゃないですか。そしたら次の駅までまあ2〜5分ぐらいじゃないですか。例えば3分だとしたら、呼吸法10回で1分だから、30回やれば次の駅に着くわけです。

あとどれぐらいで駅に着くのか、だいたいの目安が分かるので、少なくとも「あああ、いつになったら駅に着くのーー」という、とめどない焦りからは解放されました。

しかも、いつもその目安より早く駅に着く。
なぜなら、10回ごとに10秒息を止めているから。当たり前か。

しかし思ったより早く駅に着いたときの、安堵感ったらなかったですよ。
一駅ごとに「よっしゃ」と拳を握りしめる勢い。この瑣末な達成感もまた、回復への後押しになってくれたかもしれません。

あ、高速道路でも役立ちました。
というのも高速道路って、一般的に15〜20kmごとにパーキングエリアなどの休憩スポットが設置されているそうなのです。だから時速80kmで走行したら、休憩できる場所が11分強ごとにやって来るわけで。ね。

こんなふうに、いろんな場面を呼吸法で乗り切っていくうち、自分が耐えられる時間の目安が分かってきます。3分はもう大丈夫、5分もいけた、8分も乗り切った、10分も、15分も、30分も、1時間も…といった具合。クリア時間が増えていくにつれ、少しずつ行動範囲も広がっていきました。

依然として不安、怖さ、緊張感はあったのだけど、少なくとも不快な身体感覚(めまい、息苦しさ、ふるえ、寒気、目のかすみなど)が連鎖的に起きる事はなくなり、頭が真っ白になったり、「死んでしまうかも」「気がおかしくなってしまうかも」という強い恐怖を感じる事もなくなりました。
何度もチャレンジして成功体験を重ねるにつれて、不安感も薄くなっていったように思います。

でも、薄くなったとはいえ、不安は不安。怖いものは怖い。
呼吸法のおかげで不安や緊張が脅威じゃなくなって、生活に支障をきたす程ではなくなりましたが、心が完全なリラックス状態を得られたのはもうちょっと先のことです。

きっかけは、いくつかあったと思います。
親との関係が変わった事とか。あ、あと「選択理論」を知った事も大きかった。
その辺りの事は、また改めてまとめてみます。

はっ。また長くなってしまった。
思い入れが強くて、ついあれこれ書いてしまう。
ともあれ最後まで読んでいいただき、ありがとうございました。
(おわり)

ここに記載の治療法や対処法は、あくまで個人的見解に基づいています。
効果の有無や程度は保証できませんので、ふーん、そういう事もあるんだねー、ぐらいの感じでご理解いただけると幸いです。

ブログ管理人の自己紹介とパニック障害の経緯などは、コチラより。
→「ごあいさつ


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管理人まー

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↑Twitterやってます(@ok_daijobu) パニック障害がすっかり治ったアラフォー女です。 35歳の時、通勤電車内でパニック発作を発症。以来、不安、恐怖、息切れ、めまいなどの症状が日常的に現れるように。電車やバスに乗れない、スーパーのレジに並べないなどの『広場恐怖症』や、「またあの症状が出たらどうしよう」という『予期不安』に苛まれ、一時は仕事はおろか外出さえもままならない状態でした。その後少しずつ症状が改善していき、2年後にほぼ寛解。さらに1年後にはすっかり完治。 克服するためにいろいろ試した事や感じた事などを、このブログに綴っていこうと思います。 元商業ライター。現地方OL。

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