「予期不安(広場恐怖)」とは

一度パニック発作を経験すると、その後同じ場所や似たような状況で「また発作が起きてしまうのではないか」という不安・恐怖を感じるようになります。それが「予期不安」と呼ばれるもの。「広場恐怖」とも言われます。多くの場合、電車や飛行機、エレベーター、美容院など、狭くて閉じ込められるような空間や、すぐには逃げ出せないと感じるような場所で予期不安を覚えがちです。また、それ以外にも苦手とするシチュエーションは個人によってさまざまです。

 

予期不安の代表的な症状

  • 乗り物(電車など)、美容院、狭い空間(エレベーターなど)、人がたくさんいる場所などで「また発作が起きるのではないか」という恐怖感が出る
  • 苦手なシチュエーションになると緊張したりドキドキしてくる
  • 些細な体調不良でどんどん不安になってくる
  • ふとした瞬間に鼓動が速くなったり不安になったりする
  • 不安なあまり体調がますます悪化する
  • その他

症状には個人差があります。

 

予期不安の治し方

パニック発作を起こしたところで死ぬことはありません。それにも関わらず、一度パニック発作の強い恐怖を経験したせいで、脳が過敏になっているのです。些細なことでも、脳が「危険な状況だ!」というシグナルを送ってしまうので、さまざまな状況で不安や恐怖を感じてしまう。つまり予期不安は「脳の勘違い」なんです。

この脳の勘違いを正しく修正してあげることで、予期不安を払拭することができます。勘違いを修正するといっても、予期不安を感じるたびに「勘違いだから大丈夫、大丈夫」と言い聞かせるだけでは、なかなかうまくいきません。案外、脳は頑固。

ではどうするか。もっとも効果的な治療法は「認知行動療法」だとされています。実際に不安や恐怖と直面し、「発作は起きないんだ」「発作が起きても死なないんだ」「発作が起きても自分で対処できるんだ」ということを何度も何度も体感することで、脳に正しい認知を促します。「何度も、何度も」というのがポイント。完全に予期不安を感じなくなるまでには時間と根気が必要ですが、「回復後の再発率が低い」という点でも取り組むメリットは大きいかと思います。

さらに詳しく

パニック障害の治し方 - 認知行動療法とは

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回復のキーポイント

「予期不安」と「パニック発作」はまったくの別モノだということを念頭におこう。

予期不安を感じると、それがきっかけになって体調が悪化したり、パニック発作が起きたりするものだと思いがちですが、実際には異なります。パニック発作のきっかけは「過呼吸」です。予期不安や体調不良のせいで無意識のうちに呼吸が浅くなり、やがて過呼吸になってしまうことで発作が起こります。過呼吸は「呼吸法」で抑えることができますので、最初に習得されることをオススメします。

いくら予期不安に襲われても呼吸さえコントロールできれば、発作に至ったり、さらに体調が悪化するような事はありません。「予期不安」と「パニック発作」を直結させて捉えないようにしましょう。

「呼吸法」を覚えよう

認知行動療法① パニック発作を予防する

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予期不安が無くなるまでに数年はかかると思っておこう。

パニック発作は呼吸法で撃退できるので、比較的早い段階で対処できるようになります。一方、予期不安の回復は長丁場です。認知行動療法を進めていくうちに、3歩進んで2歩下がるような感じで少しずつ不安感・恐怖感が薄れていきます。完全に症状が出なくなるまでには数年かかるものだと思っておくといいでしょう。

 

予期不安の症状には個人差があるので、他人と比較しないようにしよう

予期不安の症状や、苦手とするシチュエーションは個人によってさまざまです。他人と自分の症状が少し違ったとしても、むやみに心配になったり不安になったりする必要はありません。たとえどんな症状であれ、認知行動療法をすれば必ず回復します。他人と比較することなく、焦らずマイペースにいきましょう。

 

 管理人まーの体験談

私自身は、予期不安が完全に無くなるまで2〜3年かかったかと思います。ただ、その間にも認知行動療法をコンスタントに実践していて、少しずつ回復しているという実感はありました。発症初期の頃に比べれば、後半は予期不安の頻度も減っていましたし、不安感・恐怖感自体も軽くなっていたので、社会生活の中で大変だと感じることもほとんどなくなっていましたよ。

数年かかると言われると気が遠くなりそうですが、実際には少しずつ回復していくので、1年、2年と年を追うごとに、着実に元気になっていく感じでした!